エポキシ樹脂に50~75%のコールタールを配合し、これに顔料、添加剤と少量の溶剤を加えたものに、ポリアミン、ポリアミド樹脂またはアミンアダクトで硬化させる塗料になります。エポキシ樹脂の分子量の大小、硬化剤の品質およびコールタール成分、例えば精製コールタール、タールピッチ、膨潤炭などの種類や、これらの配合量より、エポキシタール塗料の性質が左右されます。
この塗料は2液性の常温乾燥型で、可使時間は1~2日、硬化乾燥時間は16~24時間、硬化した塗膜はエポキシ樹脂とコールタールの長所が現れ、欠点が改善され、優れた諸性質を持ちます。例えばタールを使用するため安価であるとともに、耐水性、耐薬品性、付着性に優れ、かつ厚膜が得られることから塗膜の耐久性も良好です。欠点としてコールタールを使用するため色が黒く、感温性が大きい上に、曝露耐久性が弱く、白化の傾向があり、上塗りするとダールがブリード(滲み出る)するため塗装上の中が必要になります。用途はコンクリート建築物の屋根の浸水防止、船舶タンク内、ゲート、鋼矢板などの鉄構造物および長大橋梁塗装などの長期防食塗装用に使用されます。