次の項目について、説明しなさい。
(1)指触乾燥
塗膜が乾燥する過程で、塗膜を軽く押さえて、粘着性はあるが塗膜が指につかなくなった状態をいい、その10000ポイズ(一般に、その樹脂の軟化点における粘度に相当するもので、固体-液体の境界領域の粘度である)程度であり、溶剤分はある。
(2)塗膜のTg
塗料に使用されている樹脂のガラス転移温度をTgという。このガラス転移温度とは、樹脂の温度が上昇したときに粘弾性が変化し、そのときのガラス状領域とゴム状領域の間の転移域の中心温度をいう。この温度を境にして塗膜の性質(硬さ、付着、内部応力、たわみ、耐薬品性など)は大きく変わる。
Tgを高くするには、例えば橋かけ密度を上げるなど多数の研究がなされている。
(3)塗膜の老化
塗膜の老化は、主として太陽光線による光化学的な酸化劣化、熱があれば促進される。塗膜中の揮発性の分解物の損失があると、塗膜の収縮が大きくなり割れの生成を助長する。また、酸化劣化で樹脂は極性が増えるため、水分の透過も多くなり、膨張収縮も増大し活性が失われ、顔料、金属面への付着力がなくなり、剥離しやすくなる。