不飽和ポリエステル樹脂塗料は、揮発すべき溶剤を含まないということから、一種の無溶剤塗料と考えられ、塗膜の”やせ”(体積収縮)がなく”うむ”(内部乾燥不十分)ということがないことおよび厚膜塗装ができるなどの長所があります。
(1)パテ
不飽和ポリエステル樹脂の特長を最も良く生かしたものがパテになります。塗装では素地調整の際に凹凸を埋めたり、肉盛りの必要性のある場合に、オイルパテ、ラッカーパテが使われます。これらはパテ付けの肉厚に限界があり、塗膜がやせたり、もろかったりするなどの欠点があります。この塗装上の欠点を解決したパテがポリエステル樹脂パテです。
(2)補強塗装(ライニング)用塗料
金属、コンクリートなどの保護を目的として各種化学工業、石油工業関係などで単独またはガラスクロスと組み合わせて用いられています。ポリエステル塗料の補強塗装は作業性が容易であり、その塗膜性能も耐薬品性、耐溶剤性なども他のライニング樹脂とはアルカリと一部の有機溶剤を除いて大差ない性能を持っています。
(3)木部塗装用塗料その他
厚塗りが可能であり、肉やせがないことなどから木部のクリヤー仕上げはもちろんのこと、クロス張り仕上げなどにも広く使用されています。
その他電気絶縁性を応用してコイル含浸用、電線含浸用として電気器具部門にも良く用いられます。