クロメート処理は、主として金属の耐食性および塗装性能を向上させる目的で、金属表面にクロムの水和酸化物を析出させる処理方法です。クロメート処理はその処理方法によって、
①皮膜化成反応によって皮膜を析出させる反応型クロメート処理
②浸漬やスプレーにて塗布したクロメート液をエアーナイフにて絞るか、あるいはロールコータで塗布し焼き付けを行う塗布型クロメート処理
③陰極電解により皮膜を析出させる電解型クロメート処理
の三方法に分類することが出来ます。当ブログでは、皮膜化成処理の範疇である反応型クロメート処理を取り上げます。
反応型クロメート処理は、皮膜成分としてクロム酸クロムが形成されるクロム酸クロメート処理と、加工液中にリン酸を添加することにより、リン酸クロムを皮膜として析出させるリン酸クロメート処理とに大別されます。他方、反応型クロメート処理は一部マグネシウムにも適用されますが、一般的に亜鉛めっき材またはアルミニウム合金の表面処理方法として用いられる場合が多く、素材によってそれぞれ処理条件が若干異なることから、素材別に処理法を分類することも出来ますが、当ブログでは皮膜成分の違いを優先し、前者の分類にしたがって解説していきます。