気象条件、塗装現地条件などで、次の項目に該当する場合、塗装を行わないようにしてください。
(1)気温が5℃以下のとき。また湿気が凝結しそうな露点との差が3℃以内であるようなとき。
気温が低くなると乾燥が極端に悪くなります。また塗料粘度が増し、作業性が悪くなるため、シンナーを多く添加するようになり、結果として塗膜の厚みが薄く、仕上がりにも悪影響を与えることにもなります。さらに低温時には一般に被塗物面に水分の残存があることが多いので、塗装に悪影響を及ぼすことになります。日の出2時間後から塗装をはじめ、日没2時間くらい前に作業を打ち切って、条件のよいうちに乾燥させることが望まれます。(2)相対湿度85%以上のとき。
被塗物面の水分の付着による塗膜の付着性の悪化を招き、ツヤびけやブラッシングなどの仕上がり不良の原因となりますので、十分注意してください。(3)降雨または降雪のとき。あるいは塗装開始後、または塗装終了直後にそのおそれがある時。
(屋内塗装で湿気が高くない場合は、この限りではありません)(4)強風またはほこり、ゴミの多いとき。
風の強いときは乾燥の早い塗料では作業性が悪くなります。また、砂塵、塩分などが塗装中または乾燥中に付着した場合などは塗膜の性能低下や仕上がり不良となります。(5)炎天下などで鉄部等の温度が高いとき。
特に塗装面に泡が生ずるおそれのある時には、塗装しないでください。(6)モルタル、コンクリートなどが養生不足のとき。
モルタル、コンクリートなどのセメント系素材は未乾燥状態ではアルカリ成分が多く、塗膜の付着性や仕上がりに悪影響を与え、また塗装直後はうまく仕上がっていても、後日白化がみられることもあります。
一般に養生放置は3週間以上行って、表面がpH10.0以下になるようにしてから塗装してください。