建築物の塗り替え工事は、建築塗装の目的が多くの場合美装を第一としているため、いきおい外観によってその塗り替え時期が決定されます。しかし、サッシ・屋根・外装材などの金属部分、屋外や湿気の多い場所に木材部分など、腐食しやすい箇所に対しては保護塗装としての定期的な塗り替えが必要です。
塗り替え塗装に際して注意すべきことは、古い塗膜及び素地の状態と、新しく塗装する塗料が旧塗膜と同種または異種の塗料であるかの点です。
古い塗膜の状態については特に付着性に注意し、旧塗膜が浮き上がっていたり、さびの発生が見られる場合には、その部分を完全に取り除く必要があります。
また、旧塗膜と同種の塗料を塗装する場合は、旧塗膜及び素地の調整を十分行えば問題は少ないのですが、異種塗料を塗装する場合には旧塗膜が侵されないかどうかを確かめ、さらに新・旧塗膜相互の密着性、ワレ・ハガレを生じる危険性についても、事前にチェックする必要があります。その他特殊条件下においては、別途仕様を設定する必要があります。