一般に熱に対して劣化などによる異状がなく、塗膜としての機能を保持し続けるものを耐熱塗料といいます。
ところで耐熱性といっても使用される環境により対象の温度も異なることから、耐熱塗料も使用温度に応じた分類ができます。
耐熱塗料の耐熱性は展色剤である樹脂と顔料との働きによりその機能を発揮します。顔料として酸化チタン、酸化鉄、などの酸化物顔料、アルミニウム粉、亜鉛粉末、ステンレス粉末などの金属粉が耐熱性に優れたものとして使われます。
展色剤である樹脂については耐熱塗料では特に重要で、塗装時の焼き付け工程および使用時の高温環境において変色や塗膜の熱による劣化、崩壊がないようにしなければいけません。このようなことを考慮すると無機系顔料は有機系顔料よりも耐熱性に優れていることが推定されるところです。
使用される環境の一例を温度で分類すると次のようになります。
・比較的低温 65~120℃ 照明器具、ストーブなど
・比較的高温 260~540℃ 排気管、ボイラー、煙突など
・高温 540℃以上 特殊な用途