赤外線は太陽光線中の長波長部分で物質の分子活動を活発にして、物体の温度を上昇させます。塗料のうちには赤外線を制御する働きを持つものがあります。
構造物は太陽光線に当たるとその中に含まれる赤外線により温度が上昇します。この際、白色の塗装をすると光全体を反射し温度上昇は少ないのですが、濃色の塗装をすると赤外線を吸収して温度が上昇します。構造物は美観や眩映性の点から濃色の塗装が施されることが多いのですが、屋根塗装では室内の温度を上昇させ夏に暑くなり、タンクやタンカーの塗装では内部の温度が上がって内容物の蒸発による損失や危険性を招くことになります。塗料中に赤外線反射物質を配合すると、濃色塗装にしても日照による内部の温度上昇を少なくすることができます。
特注なセラミックス系顔料を配合した塗料は光が当たる2次的に遠赤外線を放射するので、赤外線こたつの放熱板の塗装に使用されています。