▽国内における塗装系展開動向
今後、国内においては、現在展開中の中上塗り塗料の現行保持機能のさらなる高機能化が求められ、中塗り塗料は耐チッピング性、、ベース塗料は意匠性、クリヤー塗料は耐擦り傷性及び外観などの主要品質機能の向上に対する取り組みが推進されていくと考えられます。また、環境配慮に向けた取り組みは継続されるため、現在導入展開されている工程短縮塗装系は、水性3WET(1PH:中塗りレス)系に移行展開されていくでしょう。そして、さらに環境負荷(二酸化炭素)及び生産性コスト(エネルギーコスト)低減に向け、乾燥炉工程低温化の動きが示唆されており、今後は低温効果可能な中上塗り塗料の設計とともにボディ/バンパー一体化塗装系の導入展開が進んでいくと予想されます。
▽海外・グローバル塗装系展開動向
グローバルにおいては、国内よりも積極的に環境負荷(二酸化炭素/VOC)低減に向けた取り組みが既に展開されています。
欧米におけるVOC削減に向けた規制方法は、日本の発生源に対する規制対応と異なり、製品に対する規制(各製品ごとに基準値を設定し規制)が施されており、基準に適合しない製品は販売できなくなります。そのため、水性塗料への移行の動きが促進され、欧州では2007年、北米では2009年から水性塗料の使用展開が実質義務付けられています。また、アジア/欧州/中東/アフリカ/アメリカ地域においては、二酸化炭素削減に向けた工程短縮塗装系が拡大展開されており、国内同様、水性3WET(1PH:中塗りレス)塗装系のグローバル展開が推進されています。