水溶性樹脂塗料は、骨格中に親水基の水酸基を持つ樹脂や、ポリマー中にカルボキシル基などを導入して、これをアンモニア、有機アミンなどで中和して水溶化したものを水あるいは水に溶解する有機溶剤(アルコール類、グリコールエーテル類など)に溶かしたものをベースとして塗料化したものになります。水溶性樹脂としては、酸価を高くすると水に溶けやすくなりますが、耐水性、耐薬品性などの塗膜性能が低下するので、樹脂の酸価、重合度など、塗膜品質の低下を抑えながら、一部親水性有機溶剤の溶解力の助けを借りることになります。
また、親水基は、塗膜乾燥後、そのまま残ることなく、失われるか、架橋反応にあずかって不溶化する必要があることから、水溶性樹脂塗料は主として焼付け型として使用されています。実用化されている水溶性樹脂塗料としてはマレイン化油系、アルキド樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル系、エポキシ樹脂系、ポリブタジエン系などがあります。