一般塗装用(電着塗装以外)に用いられる焼付け型水溶性塗料はアミノアルキド系水溶性樹脂塗料や、アミノアクリル系水溶性樹脂塗料が主なものになります。これらの塗料の硬化機構は本質的に溶剤型のものと同じです。
すなわち水溶性アルキド樹脂、または水溶性アクリル樹脂と、水溶性メラミン樹脂の混合物で、焼き付け時にベース樹脂中のアミン類が塗膜から完全に揮発するか、あるいはアミドを形成するかして架橋反応して硬化します。アンモニア、トリメチルアミンなどの低沸点アミンを使用した場合は、焼き付け時にそれらが60~100%失われ、ジメチルアミノエタノールなどでは低温時(120℃×30分)の焼付けでは相当量残っています。またアクリル酸、メタクリル酸などの水溶性アクリル樹脂は水溶性メラミン樹脂と、メトキシメチル基とカルボキシル基とのエステル化反応して硬化します。この際、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)が存在すれば、反応が促進され効果が速くなります。したがって、塗料の安定性を阻害しないようにすれば、低温硬化が可能になります。一般に適正焼付け乾燥条件は130~160℃×20分で、溶剤型に比べて、10~20℃高温となります。