アルミニウムとその合金の中で、純アルミニウムが最も耐食性がよく、そのうちでもFe、Cuなど耐食性を阻害する元素が少ないほど耐食性が良好です。
アルミニウムは室温のpH4~8.5の水中、あるいは一般の大気中で優れた耐食性を示しますが、塩化物イオンを含む水中で孔食やすきま腐食を生じます。特に共存するCu2+やFe3+は有害で、これらをわずかに含んでいても孔食やすきま腐食が促進されるので、上水や工業用水など微量の重金属イオンを含む水の配管には使用できません。蒸留水であれば問題ありません。海水中の使用は極めて限られます。
両性金属であるためアルカリ性溶液中でAlO2-を生成して腐食しますが、耐食性を示すpHの上限が常温で8.5と低いのが特徴です。したがって、石灰や新しいセメント、コンクリートなどに接して腐食し、電気防食によるアルカリの蓄積にも注意を要します。