塗装前処理工程には、脱脂、除錆、皮膜化成処理等の工程があります。これらの工程では処理液の老化度を測定し、新しい液の補給、場合によっては部分及び全量更新などにより適正な状態に管理します。
溶剤脱脂ではpH、沸点、アルカリ脱脂ではアルカリ度、pH、油分、懸濁物質など、酸洗(除錆)浴では、酸度、鉄分濃度などが測定されます。被処理面の清浄度の判定には、銅めっきの付着性の良否による方法、水の濡れ状態により判断する方法、アイソトープ法などがあります。
鉄鋼のリン酸塩化成処理の場合は、全酸度、遊離酸度、両者の比(酸比)が測定されます。リン酸亜鉛系化成処理では、全酸度が浴中の有効成分濃度、遊離酸度が金属表面に対するエッチング(表面のわずかな溶解)性の目安となります。全酸度及び遊離酸度は皮膜化成反応時間や耐食性に影響します。また、促進剤の温度等も測定する必要があります。液の温度管理も重要です。