自動車車体の塗装は、下塗り、中塗り、上塗りに分かれます。ここでは、それぞれについて説明します。
自動車車体の下塗り塗料としては、自動化が容易で低公害、付き回り性が良好で防錆性能が高いなどの特長から電着塗料が広く採用されています。エポキシ樹脂をベースとしたカチオン電着塗装が主流となっています。
中塗り塗装には上塗り後の外観向上のため下地を整える役目と下塗りや素地を保護するためのバリアーとしての役割があります。ポリエステルメラミン樹脂などが採用されています。
上塗りはソリッドとメタリックに分けられます。ソリッドはアルキドメラミン系樹脂に着色顔料を入れた塗料1層からなるのが一般的で、メタリックはアルミ顔料などを含むベースコートエナメルとクリアーコートの2層からなる2コート1ベーク方式で塗装されます。クリアーには熱硬化性タイプのアクリル樹脂が採用されています。また、美観を要求される高鮮鋭性仕上げでは、何層にも塗られています。