不飽和ポリエステル樹脂は、樹脂中の二重結合と用材としてのビニル単量体としてのスチレンモノマーとの重合反応によって硬化するもので、スチレンモノマーは用材として働くと同時に硬化時間には樹脂成分の一部ともなります。この硬化反応は促進剤、硬化剤を加えて反応させるもので、促進剤としてはコバルトのナフテン酸塩、オクテン酸塩などの金属塩、アミンおよびメルカプタン類などがあり、硬化剤としては主としてメチルエチルケトンパーオキサイド(MEK,PO)、過酸化ベンゾイル(BPO)などの有機過酸化物が用いられます。
この場合、促進剤の働きは、硬化剤である有機過酸化物を分解し、ラジカルを発生することにより共重合の形をとって硬化します。
したがって、不飽和ポリエステル樹脂塗料は、塗料液(主剤)と硬化剤、促進剤の三液またはあらかじめ促進剤を主剤の中に添加して主剤と硬化剤との二液型にしたものとがあります。