可塑剤は、塗膜の中に混在して、ニトロセルロースの結果を補い、塗膜の柔軟性を良くし、厳しい条件下で耐久性を増すために使用されるものになります。可塑剤を含まないニトロセルロースの塗膜は、もろくて容易にひび割れが出来、ついには下地から剥がれる傾向が大きいです。
適度の可塑剤が加えられて塗膜は、大気中にさらされた場合、湿度変化や日光、風雨などの厳しい環境に耐え、長くその弾性を保ちます。可塑剤にはひまし油などの植物油や、DBP、DQP、TCPなどのような難蒸発性のリン酸エステル系、また、多価アルコールによってエステル化されたアルキド樹脂などが用いられますが、ニトロセルロースラッカー用可塑剤としては、ニトロセルロースおよび樹脂との相溶性が良く、溶剤に対する溶解性が良く、不揮発性で悪臭がなく、経時により着色しない、などの諸条件を満足させるものが好ましいです。添加量は、ニトロセルロースに対し50%以内が適量です。