樹脂を配合する目的は、光沢、肉持ち、付着性、可とう性、耐候性などの諸性質を向上させることにあり、ニトロセルロースは他の樹脂と広範囲にわたって相溶性があるため、各種の樹脂を適切に配合して用途に応じたものにします。
(1)天然樹脂
天然樹脂としては、ダンマー、セラックなどが主に用いられましたが、性能の優れた合成樹脂が開発されて、次第に置き換えられつつあります。しかし、ダンマルゴム、セラックなど今なお使用されており、脱ろうダンマーを用いたものは色が淡く、付着性が強く、研磨性も良く、金属用にセラックを用いたものは、木材の吸い込み止め用としてラッカーシーラーにも用いられています。加工樹脂としてのロジンエステルは光沢、硬さ、研磨性が向上しますが、耐候性が不十分なため、屋内用ラッカーに用いられます。
(2)合成樹脂
ニトロセルロース塗料に用いられる合成樹脂の主なものは、アルキド樹脂、アミノ樹脂、マレイン酸樹脂で、最も多量に用いられているものは、アルキド樹脂である特にココナット、ヒマシ油などの不乾性油変性アルキド樹脂は、耐候性、付着性、たわみ性に優れており、色も淡いことから屋外用、金属用に利用されています。アミノ樹脂は熱硬化性で、一般には常温乾燥型塗料には用いませんが、ニトロセルロースラッカーに併用すると光沢保持性が向上し、不揮発分も高くすることが出来ることからハイソリッドラッカーに用いられます。
マレイン酸樹脂は、塗膜の光沢、硬さ、研磨性が向上するため、木工用、屋内用ラッカーに用いられます。その他ケント樹脂があり、無酸クリヤーとして金属用に用いられます。