「ケレン」という言葉は塗装現場で広く使われている一種の隠語で、
素地調整あるいはさび落としの意味になります。
由来はcleanがなまったものといわれています。1~4種ケレンという言葉は「鋼道路橋塗装・防食便覧」「国土交通省積算基準」などに公用語としても使われています。動力工具・手工具による2種ケレンと3種ケレンについては業界内でも橋梁塗装分野では素地調整方法とグレードを合わせて示す立場で使用され、用語がいまだに混乱しています。今後は素地調整方法とグレードは別けて国際基準に準じて使用されることが望まれます。
ブラストによる素地調整(blast cleaning)は動力工具処理方式に比べ装備に資金が必要でありますが、効率では圧倒的に優れています。特にミルスケールの除去にはほとんどがブラストによって行われ、直ちにショッププライマーが塗装されています。
ブラスト方法は研掃材(研削材、研磨材ともいう)によって大別され、ショットブラスト(特殊鋼球)が代表的な方法です。ブラスト方式にはバキュームブラスト、湿式サンドブラスト、ウォータージェットさび落としなどの方式も一部に採用されています。近年、研掃材にガーネットなどの種々の鉱物粒子、アルミナ・スピネル系人工研掃材、ドライアイス粒子などを使用するブラスト方法などを使用するブラスト方法が開発され、用途もさび落としだけでなく清掃などにも検討されています。
ブラスト処理上の大きな問題点は騒音と粉塵による環境の問題であり、現場での素地調整は現状では動力工具処理がまだ多いです。