塗装における養生は二つの意味を有します。ひとつは、塗装作業時塗装する部分以外への塗料の付着や飛散を防ぐための覆って保護すること(masking)をいいます。塗着を防ぐための材料は、保護する面の塗装を剥がしたり、塗料中に含まれる溶剤に侵されたりしないものを選ぶ必要があります。専用の養生テープ(マスキングテープ)や養生シートなども市販されています。現場における塗装の場合、塗料やほこりの飛散を防ぐため、足場の外側をネットで覆う、いわゆる足場養生が行われています。
第二の意味は、塗装した後から実使用に供するまでの保持・乾燥(curing)のことをいいます。その用例として、JIS K 5600-1-1(1999)「塗料一般試験方法ー第1部:通則ー第1節:試験一般(条件および方法)」には「試験片の養生」として「塗り終わった試験片は、標準状態に保った場所に移し、0.1㎡以上の試験片は長辺を水平に短辺を水平面に対し約85度になるように立て掛け、0.1㎡未満の試験片は塗面を上向きにして水平に置く。」との記載があります。