VOCの排出抑制には、低VOC塗料の採用が望まれます。しかしながら、塗膜性能、塗装作業性、塗装設備費などに対する課題も少なくなく、塗料ユーザーサイドの理解と排出抑制に対する積極的な取り組みが必要となります。
VOC低減のための環境配慮形塗料
ハイソリッド塗料
NAD技術の適用などでVOCの含有率を10~20%程度まで 削減した溶剤形塗料になります。塗膜性能の低下は少ないのですが、 塗装作業性は一般の溶剤形に比べるとやや低下します。無溶剤形塗料
低分子量の樹脂などの使用により、VOCを含有しない塗料です。ポットライフ(可使時間)が短く、塗料粘度が高粘度となることから、塗装には専用の塗装機が必要となり、塗装作業性も溶剤形と比べると劣ります。水系塗料
溶媒を水とした塗料です。ただし、微量のVOCを含有することがあります。各業種向けに水系塗料の開発が進められていますが、性能、 乾燥、および設備の新設などに対する検討が必要です。粉体塗料
塗料性状が粉体(固形)であり、VOCを含有しない塗料です。適用業種によっては低温焼付や少量多品種対応などの課題が残されています。