塗装技術の門

塗装や表面処理、金属、素材などに関するブログです。たまに、トライボロジーや環境についても書くことがあります。各種文献や書籍を基に、少しでも有用な情報をみな様にお届けしたいと考えております。

防汚塗料(antifouling paint)




 防汚塗料は船舶の没水部や海中構造物に塗装され、貝類や海藻など生物(動植物)の付着を防止する目的の塗料であり、一般塗料のような防錆性能や耐候(光)性能の付与を目的としない機能性塗料です。船底塗料という場合は防錆塗料と防汚塗料の両者を含めていいます。日本特許第1号は堀田 松の発明した船底塗料で有名であり、その中で使われた防汚塗料の名称「船底2号塗料」は現在も官公庁の用途に使われています。
 船舶の外板没水部に海中生物が付着したり、さびや塗膜のふくれが増加すると、摩擦抵抗が大きくなり、船速が低下し、燃料を余分に使い膨大な経済的損失を被ることになります。この対策に防汚塗料の果たす役割が大きいのです。また、最近では火力・原子力発電所の冷却用海水導入施設でも流量低下防止や剥落した生物による熱交換器チューブの閉塞を防ぐ目的に防汚塗料が用いられています。
 海水中での汚損は生物の繁殖によるものであり、その防止のために使用される塗料の防汚機構はつぎの3つに分類されます。
 ①塗膜に含まれる防汚剤により、生物の発育を防止するもの。
 ②塗膜のポリマー自体の表面溶解により摩擦性を下げ、生物付着を回避するもの。
 ③塗膜の表面エネルギーを小さくし、無毒で生物が離脱しやすい親水/疎水バランス表面を形成するもの。
 殺傷力の強い有機水銀剤などの防汚剤は地球生物全般に対しても影響が大きく世界的に規制がされました。有機すず系材料についても限定使用するように規制が広まっており、現在では防汚剤には亜酸化銅など数種に限定され使用されています。塗膜に摩耗性を発揮させる目的には、加水分解型あるいは水和分解型のポリマーが用いられています。
 発電所設備では、公害防止が強く求められ無毒タイプを主体に使用されています。
 なお、屋外で常時湿っている環境に使用される防かび、防藻塗料や、都市環境の美観上すすなどによる汚れを防止する低汚染性塗料は一般に防汚塗料には含めません。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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