ポリオールの水酸基(-OH)とイソシアネート基(-N=C=O)を反応させ、ウレタン結合(-NH-CO-O-)によって架橋して出来た樹脂をポリウレタン樹脂といいます。このウレタン結合を精製させる樹脂をバインダーとして用いた塗料をポリウレタン樹脂塗料といいます。
ウレタン樹脂塗料は耐水性、耐薬品性、耐溶剤性に優れ、アクリル樹脂やポリエステル樹脂に水酸基を導入した樹脂を主剤とし脂肪族系イソシアネートを硬化剤として用いたポリウレタン樹脂塗料は耐候性も優れているため上塗り塗料としても用いられています。低温での反応性も優れているため、エポキシ樹脂に水酸基を導入した樹脂を主剤にした低温硬化型の下塗り塗料としても用いられます。
環境中の水分を吸収することにより樹脂中のイソシアネートが反応してアミノ基を生成し、これが別のイソシアネートと反応することにより硬化する1液湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料は、下塗り塗料やジンクリッチ塗料として用いられています。
無溶剤形のポリウレタン樹脂を用いた塗料として、ウレタンエラストマーがあります。スプレー塗装の場合ポットライフが短いため専用の2液混合形塗装機を用いて塗装します。2mm/回程度の膜厚が確保できるため、海洋鋼構造物や水道用鋼管の外面などの防食用途に用いられます。