ふっ素樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどに代表される脂肪族炭化水素系樹脂の水素原子の一部、または、全部がふっ素原子に置き換わった構造をもち、C-Fの結合が非常に安定であるため、耐候性が抜群によく被粘着性、耐薬品性等に優れています。
ふっ素樹脂塗料は優れた耐候性により塗り替え期間を長くでき(塗り替え回数を低減でき)、ライフサイクルコストの削減に貢献できます。
高耐候性機能以外には、塗膜表面を親水性にすることで雨筋などによる汚れを防止し、外観を保つ低汚染性塗料としても需要を拡大しています。
ふっ素樹脂塗料は2つのタイプに分類されます。1つはポリふっ化ビニリデンをアクリル樹脂とともに有機溶剤に分散させたオルガノゾル系のものです。もう1つはフルオロオレフィンと溶剤相溶性の高いビニルエーテルを交互共重合させることによって有機溶剤に可溶化させたもので、ビニルエーテル化合物として官能基をもったモノマーを使うことでイソシアネートやメラミンで硬化することができます。
ふっ素樹脂塗料の用途は建築向けがメインであり市場の7割弱を占めます。建築用途の中では屋根や壁材、内装材など、向上でライン塗装を行う製品が中心となっています。次いで、橋梁や大型建築物など塗装が困難で、塗り替え回数を低減させたい物件で採用されています。