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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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【大気概論】大気汚染物質の発生源



 大気中に排出され、ガス上、ミスト状、粒子状で、存在する汚染物質の発生源は自然発生源と人為発生源に大別されます。
 自然発生源としては、二酸化硫黄(SO2)発生源として火山(硫化水素として放出される割合が多いですが、硫化水素は大気中でSO2に変換されます)、窒素酸化物(NOx)発生源としてとして雷や土壌(細菌による有機物の分解で生成する)、メタン発生源として水田、湿地、一酸化二窒素(N2O)発生源として湿潤な森林、海洋などが代表的な例になります。
 人為発生源としては、ボイラー、加熱炉などの熱エネルギーの発生を目的とする燃焼炉や自動車、航空機、船舶の内燃機関などの燃焼過程から硫黄酸化物(SOx)、NOx、ばいじん、一酸化炭素などが発生し、そのほかに炭化水素が発生する場合もあります。また、金属の精錬、加工における焙焼、焼結などの工程では鉱石中の銅、鉛、亜鉛、カドミウム、水銀などが揮散します。硫化鉱の焙焼ではSOxが大量に発生するほか、NOx、ばいじんなども発生します。粉粒体の処理では、原材料の粉砕、選別、運搬、滞積などに伴い粉じんが発生します。コークス炉からは粉じんのほかに、アンモニア、シアン、フェノールなどが発生します。液体燃料の精製過程や溶剤、塗料の使用などによって揮発性有機化合物(VOC)が発生します。
 有害ガスの漏洩は不完全な対策や不注意な処理などから生じることが多いです。殺虫剤、除草剤など農薬の散布も発生源となり、農業は地球温暖化物質のメタン、N2Oの発生源となります。
 また、大気中で二次的に発生する汚染物質があります。浮遊粒子状物質は、発生源から排出された時点で粒子となっている一次粒子と、排出された時点ではガス状であったものが、大気中における光化学反応などにより粒子化する二次粒子とに分類されます。一次粒子には、工場・事業場から排出されるばいじん、粉じん、自動車等から排出される粒子状物質などがあります。土壌の巻き上げ粒子や海塩粒子など自然起源のものも含まれます。二次粒子は。工場・事業場、自動車などから排出されるVOC、硫黄酸化物、窒素酸化物などが原因物質となります。火山などから排出される硫黄酸化物など自然起源のものもあります。
 光化学オキシダントは、大気中のVOCと窒素酸化物の混合系が、太陽光(特に紫外線)照射による光化学反応を通じて生成されます。


大気中に排出され、ガス状、ミスト状、粒子状で存在する汚染物質の発生源は
自然発生源と②人為的発生源に大別
自然発生源
●SO2:火山
●NOx:雷、土壌
●CH4:水田、湿地
●N2O:湿潤な森林、海洋

人為発生源
●ボイラー、加熱炉、自動車など
●金属の精錬など
●粉粒体の処理など→粉じん
●液体燃料の精製、溶剤、塗装など→VOC
●有害ガスの漏洩、農薬の散布


表.種類別のばい煙発生施設数
(平成21年末現在)
ボイラー64.1%
ディーゼル機関15.4%
ガスタービン 4.0%
金属加熱炉 3.5%
乾燥炉 3.3%
廃棄物焼却炉 2.7%
金属溶解炉 1.9%
その他 3.4%

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【大気概論】大気汚染の現状




 大気汚染は、工場などの固定発生源や自動車などの移動発生源から排出される硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじん、有害物質、粉じん、一酸化炭素(CO)、炭化水素などによってひき起こされます。
 大気汚染の2大汚染物質の一つである硫黄酸化物については、そのほとんどが工場から排出されるものであり、もう一つの窒素酸化物については工場と並び自動車が大きな発生源でありますが、ビルや家庭などからの排出も無視できない量であり、対策を難しくしています。
 大気汚染物質はコンビナートや工業団地の周辺、住宅地に設置している一般環境大気測定局(一般局)と道路の周辺に設置されている自動車排出ガス測定局(自排局)で継続してモニタリングされています。
 硫黄酸化物は硫黄を含んだ化石燃料の燃焼により発生し、その大部分は二酸化硫黄(SO2)であり環境基準もSO2で設定されています。環境濃度は昭和45,46年の約1/7となっており、近年では横ばい傾向にあります。窒素酸化物は、窒素を含んだ化石燃料の燃焼により発生するフューエルNOxと高温燃焼時に空気中の窒素が酸素と反応して生成するサーマルNOxとがあります。燃焼直後の排ガス中の90~95%はNOでありますが直ちに酸化されて二酸化窒素(NO2)になります。毒性もNO2が強いため環境基準はNO2で設定されています。NOxの環境濃度は緩やかな改善傾向にあります。
 一酸化炭素がすべての測定局で環境基準を達成している反面、光化学オキシダントの2010年度の環境基準達成率は一般局、自排局ともに0局と極めて低くなっています。浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、一般局、自排局とも100%に及ばないですが、環境中の濃度は近年横ばいから緩やかな改善傾向にあります。

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【有害大気物質特論】ガス吸着装置



 ガス吸着は、ガス中の特定成分を活性炭などの吸着剤に吸着させて分離する操作で、一部の特定物質、悪臭などの処理に用いられます。ガス吸着の特徴は表のとおりです。
 吸着剤が気体と接して平衡状態にある場合、その吸着量は気体の濃度(分圧)と温度により変化します。これらの関係を表すものに吸着等温線があり、一定温度における互いに平行な吸着量とガス濃度との関係を表すものになります。
 代表的な吸着等温線には、近似的に表した実験式のフロイントリヒの式、固体表面は多分子層で覆われるとして、Brunauer,Emmett,Tellerが導いたBETの式があります。BETの式は活性炭の表面積測定に用いられます。
 被吸着物質の分圧が下がるか、温度が上昇すれば、吸着量は減少し、被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくる。この現象を脱着といいます。
 また、吸着材の充填層に被吸着物質を含むガスを流すと、充填層出口ガス中の濃度がある時間以降に急激に増加し、ついに入口濃度と等しくなります。この現象を破過、層出口濃度が急激に増加する点を破過点といい、ガスを流し始めてから破過点に達するまでの時間を破過時間、曲線を破過曲線と呼びます。これは、吸着が充填層の比較的狭い圏内で行われ、この吸着圏(吸着帯)が時間とともに移動し、ある時間後に充填層の端に達するからです。
 工業的に使用される吸着剤は、多孔性で内部表面積が大きく吸着性が著しい個体で、活性炭やシリカゲルが代表的なものになります。吸着剤は製法そのほかによってかなりその性質が違っています。もっとも多用される活性炭には、石炭、木炭、ヤシ殻などを900℃前後で水蒸気、空気などにより賦活するガス賦活炭と、木質原料を塩化亜鉛またはリン酸などの薬品に浸漬した後炭化させて作る薬品賦活炭があり、排ガスの処理や有機溶剤の回収にはガス賦活炭が主に用いられます。
 活性炭はほかの吸着剤に比べて極性が小さく、その吸着はファンデルワールス力によるため、水、アルコールなどの極性物質よりは、飽和炭化水素などの無極性物質の吸着に優れています。
 また、炭素数の大きい炭化水素ほど吸着しやすく、形状は粒状炭、粉末炭、ビーズ炭、繊維状炭などがあります。化学薬品を染み込ませた活性炭(添着炭といいます)も使用され、アンモニアなどの塩基性ガスには酸性成分の、硫化水素などの酸性ガスにはアルカリ成分の添着炭が適します。


表.ガス吸着装置の特徴
特徴
長所①処理ガスの濃度変動に対応できる。
②ほとんど100%の除去が可能である。
③操作および装置が簡単である。
短所①処理コストがやや高い。
②ダストやミストを含むガス及び高温ガスはあらかじめ前処理が
 必要である。

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