《希釈性》
うすめ液(シンナー)が所定の塗料を溶解する性能があるかどうかを調べるもので、塗料中に所定のシンナーを加え塗料をガラス板に塗布して、できた塗料の表面状態に光沢が正常で、しわ、むら、つぶ、あわなどのいちじるしく発生していない状態を希釈性十分と判断します。《貯蔵安定性》
塗料の中に貯蔵中に粘度が上昇したり、皮張り、ゲル化または顔料沈殿などが生ずるものがあり、これらの塗料を塗装すると、作業性が悪いばかりではなく、塗装できない状態となってしまいます。
そのため、あらかじめ貯蔵性、安定性を試験して確認する必要があり、一般には温度を高くする方法や温度を高低のサイクルをあたえるなどして促進試験で確認します。《低温安定性》
合成樹脂エマルション塗料のように水をうすめ液としている塗料は、低温時になると凍結したりし、固まったり、変質したりする場合があり、寒冷地などでの冬の保管を考え、-5℃と常温との温冷サイクルでその性質を確認します。《その他塗料状態での試験》
その他塗料状態の試験としては、塗料の成分を知るための塗膜形成成分の量を知るための加熱残分、うすめ液の蒸発速度を知る蒸留速度、その他それぞれの成分を知るための化学分析などがあり、これらはメーカーから提出される試験表の内容を理解し、確認するために重要な項目になります。