次の塗装不良に対して、主要因と考えられる要因を3つ掲げ、その対策を述べなさい。
(1)流れ(ダレ)
主要因としては、①シンナーの蒸発速度、②塗料粘度、③膜厚、が考えられる。
対策としては、
①蒸発速度の遅いシンナーは塗膜の乾きが遅れ、流れの原因になるため、蒸発速度の速い
シンナーに変える。
②シンナーを多く入れ、低粘度で塗装すると流れやすくなるため、塗料粘度を高めて流れを
防ぐ。
③膜厚を必要以上に厚くしない。それでも流れる場合には、間隔を置いて2度塗りする。
(2)糸引き
主要因としては、①シンナーの蒸発速度、②塗料粘度、③吐出量、が考えられる。
対策としては、
①高速回転塗装機などでは、蒸発速度の遅いシンナーを用いないと、塗装機表面にうわ乾き
して、糸引きの原因になる。
②シンナーを多くし、塗料粘度を下げて、微粒化をよくすることにより、糸引きを防ぐ。
③回転霧化塗装機では吐出量が少なすぎると、塗装機表面で乾いて、糸引きの原因となる。
(3)ゴミ不良
主要因としては、①表面処理状態、②塗装ブースの排気、③塗料内の異物混入、が考えられる。
対策としては、
①表面処理後の水洗不足や処理液の汚れの付着。
②塗装ブースの排気量を多少少なくし、ブース外からのゴミ、ほこりの流入を防ぐ。
③塗料調合時に容器、缶のゴミの持ち込みに注意し、濾過をする。また、運搬、保管時に
容器に蓋をする。