【問題】
工場塗装による建材が多くなっても、なお、従来からの現場塗装が重要である理由を挙げなさい。
【解答例】
近年、プレハブ建物の発展とともに工期の短縮、コストダウン、品質の安定性などの理由により、工場塗装による建材が多くなってきているが、工場から半完成品として出荷される鋼製建具類、設備配管類、構造用鋼材などはすべて現場塗装する必要がある。
プレハブ住宅として工場で塗装され現場で組み込まれた建築物であっても、耐用年数の経過に伴い、塗り替えの問題も当然発生し、現場塗装によりその寿命延長を計られる。また、一般の木造、コンクリート建築物についても塗り替えの場合は同様である。
特に大型の建築物である事務所、ホテル、病院、学校、公共建築物においては、建築骨組みの主体となる構造用鋼材、電機、設備配管、コンクリート壁、石綿板などの間仕切り材、カーテンボックスなどの木部はすべて現場塗装されその機能を果たすものである。工場塗装による建材の種類と生産は、今後増加してゆくことは当然予測されるが、その塗り替え塗装系の確立と技術者の養成を行い、客先のニーズにこたえるようにしなければならない。