●油消費量
ポリオールエステルは弱い会合性があることから、蒸発性が低く、粘度が低いにもかかわらず、蒸発損失は同一粘度級のほかの合成潤滑油と比較して格段に小さいです。そしてまた低揮発性で高粘度の鉱油にポリオールエステルを混合して粘土を調節する場合に、同一粘度の鉱油のみのエンジン油と比較して蒸発損失を減らすことができます。●更油期間
エンジン油の長寿命化に関わる重要な性能は熱酸化安定性であり、この点でポリオールエステルは優れた性能を示します。たとえば、各種のエンジンテストにおいてポリオールエステルを18%混合した半合成系は同じ添加剤組成系の鉱油系と比較して良好な結果を示し、ポリオールエステル基油の合成潤滑油はダブルランのシークエンスⅢCテストの粘度変化値がSE級に達していました。
さらにまた、エンジン清浄性がロングドレインかに寄与する大きな因子でありますが、ペッターW1とペッターAV1のエンジン試験においてジエステルより優れていました。●燃費節減
米国連邦政府による企業燃費節減目標の設定に見られるように、自動車産業に対して省エネルギー要請が高まり、省エネルギー型エンジン油の展開が必須となってきました。そのため潤滑油の低粘度化と摩擦特性の改善により燃費を節減しようとする努力が払われています。ポリオールエステルは低揮発性、低粘性により摩擦損失を低減化するとともに、ΔV*/V値が鉱油やジエステル油に比べて小さく潤滑性が優れているばかりではなく、高圧下の摩擦面でも低粘度を保持しており、(β値が小さい)燃費節減に大きく貢献することが考えられます。
1976年から発売されていた合成エンジン油(合成炭化水素:ポリオールエステル=3:1、SE/CC級)は、当時米国、欧州において各種のマルチグレード油に比べて約5%の燃費節減効果を示していました。