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塗装技術の門

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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ポリオールエステルの特性:添加剤効果



【添加剤効果】

 過酷化する要求性能に十分に対処するためには、合成基油に添加剤を加える必要があります。鉱油系基油に対して開発されてきた各種の添加剤は合成基油の化学構造によって異なった相溶性や挙動を示します。

●酸化防止剤

 高温時の潤滑のためにポリオールエステル用の酸化防止剤の検討が行われています。
 ポリオールエステルの酸化防止に対して、分子中のアミンの塩基性が高いアリールアミン化合物が優れていることが認められていますが、フェニルナフチルアミンは塩基性が低いにもかかわらず高温の長期酸化に対して系を安定化します。
 分子内に脂肪族連鎖を有する芳香族化合物、たとえば2-[N-(p-ヒドロキシフェニル)アミノ]コハク酸ジオクチルは揮発性が低く、エステル油への溶解度も高く、良好な酸化防止能を示します。
 酸化防止剤は単独で用いた場合よりも相乗作用を有する2~3種の混合物として使用すると優れた効果を発揮します、たとえば、アリールアミン系酸化防止剤に対して定原子価の金属塩が大きな相乗効果を示し、酸素吸収の誘導期間はアミン単独添加に対して炭酸水素ナトリウムを併用すると大幅に向上した例があります。
 航空機用ガスタービンエンジン油の基油としてジエステル、ポリオールエステルなどが用いられていますが、これらの基油に対する酸化防止剤は、アルキルアリールアミン、とくにN-フェニル-1-ナフチルアミン、ビス(p、p’-オクチルフェニル)アミンなどになります。これらの化合物はほかの酸化防止剤あるいはほかの添加剤と配合されて用いられます。

●摩耗防止剤

 基油に対して有機ホスフェートを用いると高温時の基油の摩耗防止効果は向上します。たとえば、リン酸トリクレジルは0.2~10wt%の量で用いられています。基油中に添加された中性のホスフェートの摩耗防止作用は、その使用の過程で生じる酸性ホスフェートに依存するといわれ、より反応活性な酸性ホスフェートを与える化合物としてトリス(フッ化フルオロアルキル)ホスフェートがポリオールエステルに対して有効であることが認められています。
 一般に、合成潤滑油中に含リン添加剤を加えると、油膜の限界荷重が平均して2倍となり、80~90kg(200℃、四球試験器)に達し、添加剤分子中にリン、硫黄、金属などが同時に組み込まれると、この値は、100~200kgになり得るといわれています。

●その他の添加剤

 基油が高度に酸化されたときに生じる酸性生成物や高温などの作用に対して金属の腐食を防止する目的で金属不活性化剤が用いられています。銅を不活性化するために、しばしばN-異節環式化合物が0.02~0.3wt%の量で用いられます。特にベンゾトリアゾール類が多用され、3-アミノ-4-(t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾールは218℃、48時間にわたり、ポリオールエステル中に浸漬した、マグネシウム、アルミニウム、鉄、銅薄板の腐食を完全に防止します。鉛の腐食防止剤として没食子酸プロピルが0.1~0.2wt%の量で添加されます。
 タービンエンジン油に対して発泡防止剤としてシリコーン類やジメチルポリシロキサンなどが0.005wt%の量で加えられ、熱安定性改良材として0.3wt%のアクリジンなどが用いられています。
 生成するスラッジの分散剤として、ポリメタクリラート、、N-ビニルピロリドンとブチル、ラウリルおよびステアリルメタクリレートの共重合体などが用いられます。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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