《フェノール樹脂》
フェノール樹脂は合成樹脂中最も古くから生産されたもので、ベークライトの商品名で親しまれてきました。これは石炭酸(フェノール)とホルマリンなどからつくられるもので原料及び反応方法により種々のタイプがあります。一般にフェノール樹脂の塗膜はそれ単独よりむしろ、フェノール変性フタル酸樹脂、エポキシ―フェノール樹脂など他の合成樹脂と併用されることが多いです。《塩化ゴム系樹脂》
塩化ゴム系樹脂は、構造物用塗料としてはフタル酸樹脂塗料に比べ、乾燥が早く、耐水性に優れ耐薬品性もあることから、フタル酸樹脂塗料が比較的穏やかな環境で使用されるのに対し塩化ゴム系塗料は、厳しい環境で使用されてきました。
塩化ゴムは、本来イソプレンの重合体を主成分とした天然ゴムを塩素化して65~68%の塩素含有量にした高分子化合物です。白色の粉末で不燃性ですが、130℃以上では塩化水素を発生しながら分解します。また天然ゴムの代わりにポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを塩素化したものも使用されています。
塩化ゴムの製造は従来は四塩化炭素溶媒中にゴムを溶解し、塩素ガスを吹き込んで塩素化する方法でしたが、四塩化炭素がフロンと同様に大気圏のオゾン層を破壊するとされ製造・使用が禁止されることになりました。
このため現在では、四塩化炭素を使用しない製造法が開発され、四塩化炭素フリーの塩化ゴム系塗料が販売されています。
塩化ゴム系塗料は、塩化ゴムに可塑剤、安定剤、変性樹脂を加えて混合樹脂としたものをビヒクルとしています。変性樹脂としては変性アルキド樹脂が使われることが多いです。