粉体塗装法は樹脂粉末を被塗物に付着させ、これを熱処理することにより均一なフィルムを形成させる塗装法で従来の液状塗装法と比較して数多くの特長をもっています。
(1)固形分が100%で空気を媒体として用いるため有機溶剤による大気汚染、火災、中毒などの心配がない。
(2)1コートで厚膜塗装が可能で、ピンホール、ワキ、タレ等の欠陥が生じにくい。
(3)従来の液状塗料のように樹脂を有機溶剤に溶解する必要がないため比較的分子量の大きい樹脂の利用が可能で、樹脂の特性を生かした塗膜性能向上が可能である。
(4)溶剤を使用しないため焼付時のセッティングの必要もなく、工程の短縮、合理化、自動化が可能である。
一方、粉体塗装を実施するに際しての問題点としては、薄膜塗装、ブースの色替、調色精度、粉じん回収などがありますが、数多くの工夫が加えられ解決されつつあります。