《ポリウレタン樹脂》
-N=C=O基を有する化合物(イソシアネート)とポリオールの水酸基(-OH)とを反応させ、-NH-CO-O-(ウレタン結合)によって橋かけしたものがポリウレタン樹脂です。
ポリウレタン樹脂は耐水性、耐薬品性、耐溶剤性に優れており、エポキシ樹脂には及ばないものの金属との付着性も良好です。日光で黄変しやすい欠点がありましたが、脂肪族系イソシアネートを硬化剤とした無黄変性はこの欠点が改良されており、特に耐候性は極めて優れています。
防錆防食塗装系においては耐候性のよい長所を生かし、上塗りとして使用されています。エポキシ系下・中塗りと組み合わせて高性能の塗装系を構成し得ます。また下塗りからウレタン系の一貫塗装系としても用いられています。タール系原料を加えたタールウレタン樹脂塗料も使用されています。
ポリウレタン樹脂塗料の長所の一つは低温硬化性が良好なことです。このために低温時にエポキシ樹脂塗料の代わりに使用されることも多いです。《シリコンアルキド樹脂》
シリコンアルキド樹脂は、一般的に油変性フタル酸樹脂にシリコン樹脂を化学的に結合させた樹脂です。
このためシリコン樹脂の特性である耐候性の良さが付加されますが、主要樹脂の一部は油変性フタル酸樹脂ですので、シリコンアルキド樹脂塗料は、塗装作業性がフタル酸樹脂塗料と同程度であり、かつ油性さび止めペイントの上に直接塗装が可能です。《ふっ素樹脂》
ふっ素樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどに代表される脂肪族炭化水素系樹脂の水素原子の一部、または、全部がふっ素原子に置き換わった構造をもち、C-Fの結合が非常に安定であるため、耐候性が抜群によく非粘着性、耐薬品性等に優れています。塗り替え周期の延長、メンテナンスフリー化に対する市場の要望がより一層大きくなっている現在、長期防食塗装システムとの組み合わせによる超耐候性塗料として、橋梁、ブラント、海洋構造物において着実に実績を上げ拡大の方向にあります。《アクリルシリコン樹脂》
アクリルシリコン樹脂は、架橋成分としてアルコキシシリル基(-SiOR)を含むアクリル系共重合体であり、硬化剤の存在下で空気中の水分と反応し、アルコキシシリル基の加水分解、縮合反応により分子間に安定なシロキサン結合(-OSiOSi-)を作ります。ふっ素樹脂に次ぐ耐候性を有し、汚れもつきにくいといわれています。
重防食用途としての実績はほとんどありませんが、徐々に用途が増えつつあります。