吸着説・
電気説・
拡散説はいずれも界面における付着破壊(異種分子間力の破壊)を前提としているのに対し、
WBL説は脱着を凝集破壊と考えています。付着現象はこのように、その最も基本的基盤から明確ではないと言わざるを得ません。
経験的には、金属に対する付着問題では
吸着説が有効であるようです。その一方でプラスチック・層間付着など、ポリマーに関しては
WBL説が有効であることが極めて多いようです。
塗料のような組成の極めて複雑な系の付着問題については、支配要因が非常に多く、1つの付着理論では割り切ることが出来ません。塗膜の内部応力・バルクの粘弾性(顔料効果も含む)・被塗物表面の形態学の追求が現在最も重要な課題となっています。とりわけ表面のモロホロジ-は実用と密接に関連する新しい研究分野であるといえます。