一般的に塗膜を形成する過程では、常に内部応力は、多かれ少なかれ発生してしまいます。その必ず発生してしまう内部応力を緩和するために、次に示すような技術的な方策がとられています。
〈ⅰ〉バインダーであるポリマー側鎖の長さを大きくして、分子間力を弱める。
〈ⅱ〉可塑剤を添加し、バインダー分子間のすべりにころがりのような機能を与え、内部応力を緩和する。
〈ⅲ〉偏平な粒子を持つタルクやマイカなどのフィラーを充填剤として下塗り塗料中に配合し、これらが塗膜中に配向することにより、塗膜の二次元的に発生する収縮を低減し、内部応力を低く抑える。
などが挙げられます。
塗料の配合および塗装系の組み合わせの選択、そのニーズと対応バランスから、工夫が重ねられている塗料界の現状であります。