ポリマーの種類や構造(極性基の種類と濃度、分子量)は当然のことながら塗膜の付着性を左右します。不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂について、水酸基やカルボキシル基濃度に比例して付着性が増大するという報告があります。
しかし適正な極性基を多く持ちながら付着性の良くないポリマーも多く、単純に極性基濃度だけでは付着性を論ずることは出来ません。付着の強さ~ポリマーの分子量、橋かけ密度、顔料および可塑剤濃度を調べた曲線は一般に極大点を持つ曲線で示されることが多いです。付着強さの評価には、付着性および塗膜の凝集力のほかに付着障害として作用する内部応力が総合して評価されるためであります。
主な付着障害には付着活性点の減少、WBLの存在、塗膜の内部応力(乾燥過程において発生する塗膜の収縮または熱応力や劣化に伴い生じる応力)などが挙げられます。