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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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可塑剤(plasticizer)



可塑剤とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する物質のことを指します。
 JIS K 5500「塗料用語」ににおいて可塑剤とは「乾燥した膜に伸び、タフネス、たわみ性を与えて塗膜の性能を向上させるために塗料に添加される物質。塗膜形成要素と相溶性のある不揮発性の液体または固体の物質を加える。主に、揮発乾燥性塗料の製造に用いる」と記述されています。
 例えば、ポリ塩化ビニルは本来硬い樹脂ではありますが、そこに可塑剤を入れると、ポリ塩化ビニルと溶け合って材料を軟らかくするので、その添加量によって硬軟を自由に調節することができます。線状高分子中に可塑剤を入れると、可塑剤が高分子中に溶け込んで分散します。すると高分子が軟らかくなり、比較的低温でも軟化して成形加工が容易になり、成形物は適当な弾性を持つようになります。可塑剤の条件としては、その高分子となじみやすく、不揮発性で、高分子成形物の表面ににじみ出てこないようなものが好適です。
 ポリ塩化ビニル樹脂の代表的な可塑剤としてはフタル酸エステル類が使用され、DOP(dioctyl phthalate、フタル酸ジオクチル)、DEHP(dietyl hexyl phthalate)フタル酸ジエチルヘキシル)やDINP(diisononyl phthalate、フタル酸ジイソノニル)などが汎用の可塑剤として生産量も多いです。

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重ね塗り適合性(recoatability)




 重ね塗り適合性とは、JIS K 5500(2000)「塗料用語」によれば「乾燥してできた塗膜の上に、同じ塗料を塗り重ねたときに、塗装上の支障が起こらず、正常な塗り重ね塗膜層が得られるための塗膜の性状。」と定義されています。防食塗装の場合、鉄素地の防食下地としてジンクリッチペイントを用い、環境遮断性に優れるエポキシ樹脂塗料を下塗りに、耐候性の優れるふっ素樹脂塗料を上塗りに使用するなど、様々な特徴を有した塗料を組み合わせて塗装系として使用します。この場合、それぞれの塗料の組み合わせにおいて問題なく塗り重ねることができ、さらに早期に剥離などの不具合を生じないことが重要であり、注意する必要があります。適切でない組み合わせで塗り重ねた場合には塗装時の下地塗膜の再溶解やリフティングや塗装後の早期での組み合わせた塗膜層間での塗膜剥離などの不具合が生じる場合があるので、塗り重ねてはなりません。
 基本的には鋼道路橋塗装・防食便覧などの規格に定められた塗装仕様や塗料メーカーの示す塗装系に従うのがよいでしょう。

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架橋(cross link, cross linkage, bridge forming)



架橋とは、主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応のことであり、鎖状高分子を橋かけ構造に形成させるために必要な化学物質のことを架橋剤(cross linker, cross linking agent)といいます。
 2液型の液状エポキシ樹脂塗料やウレタン樹脂塗料などでは、樹脂は溶剤に溶解または希釈剤中に分散しており、これらの溶剤や希釈剤が塗装後に揮発すると、樹脂が液状で膜になり架橋剤(エポキシ樹脂塗料ではアミン、ウレタン樹脂塗料ではイソシアネート)などにより反応が起こって個体の塗膜になります。架橋剤(硬化剤)は塗装直前に混ぜて、樹脂の反応を開始させたり、それ自身が樹脂と反応したりして塗膜を形成します。
 メラミン樹脂(正しくはアルキド・メラミン樹脂塗料と呼ばれる焼付け塗料)では、アルキド樹脂が樹脂本体の高分子鎖を形成し、メラミン樹脂は熱時架橋剤として作用します。光沢のある焼付け塗料として自動車や電気製品などに広く利用されます。

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