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塗装技術の門

塗装・塗料をはじめとした内容を掲載したブログです。工業に携わる皆さまの調べものにお役に立ちたいと思っています。

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JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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塗料の乾燥・硬化~揮発・粒子融合乾燥



●揮発・粒子融合乾燥(物理変化によるもの。主に自然乾燥形)

 塗料の中で溶剤が省資源や労働安全衛生の観点から、溶剤を使用せずに水を使用する塗料が多く研究・開発されています。水を使用する塗料の代表には合成樹脂エマルションペイントがあり、この塗料が揮発・粒子融合乾燥形の代表例になります。合成樹脂エマルションは、合成樹脂が0.5~1ミクロンという非常に小さい粒子となって水中に分散しています。この水中に分散している樹脂粒子が蒸発、濃縮および融合過程、そして膜形成を経て造膜するものであります。
 すなわち、①水が蒸発して樹脂粒子の濃度が高くなる、②粒子の濃度が高くなると、粒子と粒子が衝突する、③衝突した粒子は変形し融合する。
 この場合、水の蒸発が早ければそれだけ樹脂粒子の衝突が強くなり、樹脂粒子が柔らかければ、変形し融合しやすくなります。このことは乾燥させるときの温度が高く湿度が低いほど良好な塗膜を形成することになります。
 使用される合成樹脂は主に熱可塑性樹脂が使用され、温度が高いと柔らかくなります。
 ゆえに低温になると樹脂粒子がかたくなり、水が蒸発して衝突しても、粒子の変形までで、融合までは進行せず、できた塗膜はひび割れして連続塗膜を形成しません。

JISハンドブック 30 塗料 (30;2020)


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