●揮発・酸化重合乾燥(物理変化+化学反応によるもの。主に自然乾燥形)
この乾燥は酸化重合形と基本的にその機構は同じですが、代表的な塗料としては、合成樹脂調合ペイントが挙げられます。塗料を塗装したのち、塗料中の溶剤が蒸発し、その後塗膜中の油成分が空気中の酸素に接して反応が起こり、乾燥していくものになります。
この場合も、乾燥性を調節するため、乾燥剤を配合して乾燥を早めたり、上乾きを起こしにくくするなどの役目を果たしています。
これらの塗料の乾燥において、塗料中の溶剤が蒸発して、見かけの乾燥が比較的早く起こる一方、24時間以上おいてから上塗りをするようにしてあるのは、溶剤が蒸発した後に空気中の酸素と接して反応を開始しても、このときにあまり短時間で上塗りすると下塗りの塗膜内部まで酸素が侵入せず、上塗りのみが乾燥して縮みを生じる原因となるためです。