《燃焼管理》
種々の燃料を燃焼させるとき、できるだけ少ない過剰空気で完全燃焼させることが熱経済上望ましいです。しかし、燃料の種類や燃焼方法によって、燃料と燃焼用空気との接触、混合の程度が異なります。例えば、ガス燃焼では空気との混合が急速に進むので、少ない過剰空気で完全燃焼することが容易です。油や微粉炭の燃焼の場合でも燃焼粒子が小さく、空気との接触面が大きいので、比較的少量の過剰空気で完全燃焼できます。また、粗粉炭を使用する流動床燃焼では、ある程度の過剰空気で完全燃焼できますが、小塊状の石炭を燃焼するストーカー燃焼(固定相燃焼)ではかなりの過剰空気を必要とします。《燃焼装置の容量》
燃料が燃焼するためには、空気とともに温度、空間、時間を必要とします。燃料が空気の存在下で加熱され、他から点火しないで燃焼を開始する最低温度を着火温度といい、点火源を与えて燃焼を開始する温度を引火点といいます。燃料が燃えるためには、常に着火温度以上に保たれていなければなりません。着火温度は、気体燃料が一番高く、次いで液体燃料で、固体燃料が一番低くなっています。
また一定量の燃料が燃え尽きるには、一定の時間、空間が必要で、これらの条件を表す燃焼装置の容量の表示方法として燃焼室熱負荷(燃焼室負荷)、火格子熱負荷(火格子負荷)などがあり、大体の値が決まっています。バーナー燃焼の場合には、燃焼室の単位容積あたりの発生容積あたりの発生熱量をもって燃焼室熱負荷を表し、W/㎥の単位を用います。1時間・1㎥当たりに発生する熱量になります。重油が一番大きく燃焼室熱負荷をとることができます。