気体燃料を燃焼させる方法には、あらかじめ燃料ガスと空気をよく混合させて、その混合ガスをバーナーから燃焼室内に噴出させて燃焼させる予混合燃焼の形式と、燃料(あるいは燃料に多少に一次空気を含む)と空気を別々に燃焼室内に噴出させ、拡散によって燃料と空気を混合させながら燃焼させる拡散燃焼の形式に大別されます。
予混合燃焼のときは、噴射孔の部分に火炎面ができます。可燃性混合気は、すでに燃焼した部分から熱を受けて着火すると急激に温度が上昇し、温度の最も高い部分が火炎面(発光帯)として観察されます。火炎面はすでに燃焼している部分から未燃混合気の方にある速度で移動しますが、混合気の流速と平衡の状態にあるとあたかも静止しているようにみえます。この火炎面の速度を燃焼速度といいます。燃料と空気の混合はその割合によって燃焼しうる限界がありこれを可燃限界といいます。
気体燃料だけをノズルから静止空気中に噴出したときは、拡散燃焼または拡散炎になります。噴出の速度が小さいときは流れが層流で、この上多の火炎を層流拡散炎といいます。噴出速度が大きくなるにしたがって不安定な過渡炎の状態を経て乱れていますが安定な乱流拡散炎の状態になります。層流域では流速の増加に比例して火炎は長くなりますが、乱流域では火炎の長さは流速に関係なく、ほぼ一定となります。気体燃料の燃焼反応は瞬間的に完了するため、燃焼装置の設計は混合装置の設計ということになります。
気体燃料の燃焼装置を大別すると、次の三つの形式に分けられます。
(1)部分予混合形
燃料ガスの一部を混合し、残りの空気は燃焼室内で混合するもの。
(2)完全予混合形
燃料ガスと燃焼用空気の全量をあらかじめ混合したのち燃焼するもの。混合気流速が変わると火炎面の位置が変わる。
(3)拡散燃焼形
燃料ガスと燃焼用空気とを燃焼室内で逐次混合させながら燃焼するもの。ガスと空気を別々に混合し、拡散混合しながら燃焼させるバーナーで、操作範囲が広く、逆火の危険性が少ないので、ボイラー用に広く使用されています。