塗料の乾燥・硬化は、溶剤・水などの蒸発することにしても、重合反応をするにしても、必ず必要となる条件は温度と湿度です。
特に自然乾燥形の塗料の場合、その条件は一定に定め、管理することが困難であり、またそれゆえに乾燥条件に起因する事故も発生しやすいものです。
特に湿度については高湿度となった場合、揮発乾燥形の場合は白化(かぶり)現象を生じやすく、揮発・粒子融合形塗料の場合、水の蒸発が遅れ、塗膜の流れ、色むらなどを発生しやすくなります。
また重合乾燥形のポリウレタンなどは水とも反応する性質を持つため、多湿状態で塗装すると、外気の水と反応して、発泡を生じたり、不完全な塗膜となりやすくなります。
このように、乾燥時の条件は、温度、湿度が中心となりますが、これらに影響する風の強さ、天気、雨などには十分注意しなければなりません。