●酸化重合乾燥(化学反応によるもの。主に自然乾燥形)
塗装することによってほとんど蒸発するものがなく、空気中の酸素と反応して、乾燥していくものになります。
塗料としては、最も古い塗料の中に入るボイル油がその代表例になります。
酸化重合乾燥は、油の中でも半乾性油や乾燥油などの分子中に共役二重結合という反応性に富んだ成分があり、これと空気中の酸素と反応して乾燥をしていくものです。
この反応をできるだけ早くするために、一般にはナフテン酸金属塩などの乾燥剤が配合されており、乾燥を早める役目をしています。
これらの塗料では、一度にあまり厚く塗装すると表面だけ酸素に接して乾燥し、内部まで酸素がまわらず上乾きして縮みを生じやすくなります。
また、溶解力の弱い溶剤の中に樹脂粒子を分散させた非水エマルション(NAD)塗料も開発されていますが、その乾燥は水中に分散している場合と同様に造膜するものであります。