●重合乾燥(主に化学反応によるもの。主に自然乾燥形)
重合乾燥形塗料とは、別名自反応性樹脂塗料ともいわれるもので、代表的な塗料として、2液エポキシ塗料、2液ポリウレタン塗料、また不飽和ポリエステル塗料などが挙げられます。
これらの塗料の乾燥機構は塗膜形成主要素である展色剤となる成分が、反応し合って、反応前の成分と全く異なった構造を作り乾燥・硬化するもので、この反応を一般に橋かけ反応といっています。
これらの反応を生じる塗料は、その展色剤が基材と硬化剤に分けられており塗装する前に定められた割合で均一に混合し、塗装を行います。
この場合に基材と硬化剤を混合した時点から重合反応が開始され、粘度が徐々に上昇し、最後には塗装不可能な状態となり、この時間になるまでの使用可能な時間を可使時間と呼んでいます。
混合割合は塗料設計をするときに反応する割合で定めており、硬化を早めるためとして所定以上の硬化剤を加えても反応は早くならず、かえって未硬化の硬化剤が残って、硬化不良が生じることがあります。これらのように硬化を早める場合には、触媒となる促進硬化剤の添加が効果的です。
不飽和ポリエステルの場合は。特に基材と硬化剤を混合しただけでは硬化反応はほとんど開始せず、触媒を加えると急速に反応をはじめるので、一般に3液形となっています。
これらの乾燥・硬化機構を行う重合乾燥形の塗料は、一般に耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性などの優れた構造をもった塗膜となります。