送風機は羽根車の回転運動により気体を圧送し、その圧力比(吐出絶対全圧または制圧と吸い込み絶対全圧または静圧の比)または吐出圧力によりファンとブロワーおよびコンプレッサーに分かれます。
ファン:圧力比 1.1倍未満 または吐出圧力 9.8kPa未満
ブロワー:圧力比 1.1~2倍 または吐出圧力 9.8kPa以上約 100kPa未満
コンプレッサー:圧力比 2倍以上
集じん装置に付帯する送風機は、通常、圧力損失が少ないため、多翼ファン、ラジアルファン、後ろ向きファンなどの遠心ファンなどが使用されます。これらのファンは、集じん装置ではダストによる摩耗を少なくするため通常吸引ファンとして使用されます。
多翼ファンは遠心ファンの中で効率は低いですが、小型かつ安価で圧力係数が高く、低圧で風量の大きい用途に適しています。ガス流量は20,000㎥/min以下で、圧力は、空調用の場合で0.6kPa以下、工業用では通常3kPa、最高で7.5kPaです。
ラジアルファンはプレートファンまたは径向きファンとも呼ばれ、圧力係数が多翼ファンに次いで高く、効率は後ろ向きファンよりやや低い程度であり、小型/軽量で、集じん装置のように摩耗が激しい場合の使用に適しています。ガス流量は大体2,000~21,000㎥/minで、圧力は2~20kPaであります。集じん装置で最も多く採用されているのがこのラジアルファンになります。
ターボファンは遠心ファンの中で最も効率がよく、ガス量の広範囲な使用に適しています。しかし、圧力係数はラジアルファンよりさらに低くなります。ガス流量は40,000㎥/min以下で、圧力は大体15kPa以下で用いられます。
送風機の排風量を変えるには、回転数の変更、吐出弁または吸引弁を絞る、吸引案内羽根の角度調節などによる方法がありますが、可変速電動機を用いて回転数の変更により風量を制御する方法が最も多く採用されています。
回転数変更による流量制御の場合、「風量は回転数比に比例」「風圧は回転数比の2乗に比例」「動力は回転数の3乗に比例」します。
表.送風機の効率と余裕率
型式 | 効率 | 余裕率 |
多翼式 | 0.40~0.77 | 1.15~1.25 |
プレート形 | 0.60~0.77 | 1.15~1.25 |
ターボ形 | 0.65~0.80 | 1.10~1.50 |