塗料のハイソリッド化とは、できるだけ溶剤含有量を少なくして、高不揮発分化し、現行塗料と何等遜色のない性状、性能の塗料にするための方法と解釈されます。
そのためハイソリッド化の手段としては、
(1)塗料用樹脂の低粘度化、すなわち低分子量化、低Tg化および樹脂、溶剤の選択
(2)乾燥時における高分子網目構造形成のための架橋反応の検討と架橋剤の選定
が重要となります。
塗料用樹脂の低分子量化は、塗料のハイソリッド化に対し最も有効な手段ではありますが、低分子量化していくに従い当然塗膜性能の低下をきたし、塗装作業においても不具合をきたすことが予測され、その限界があります。例えばメラミンアルキド樹脂塗料のアルキド樹脂の分子量は、数平均分子量が1000以下になると急激に性能が低下するため、低分子量化の限界とされています。Tg点についても、ハイソリッド化に対しては低い方が有利ではありますが、Tg点は、硬度、耐化学性、耐温水性などの塗膜性能に関係し、分子量と同様に限界があります。また、樹脂の粘度は、使用する溶剤の種類によって大きな差があり、ハイソリッド化のためには極力強溶剤を使用することでありますが、塗装作業性には注意が必要です。