カチオン系電着塗料カチオン系電着塗料の主体樹脂はポリアミノ樹脂であり、その水溶化については酸で中和されること、また、電着に当たっては陰極側に塗膜が凝固析出されるなど、アニオン系電着塗料とは全く異なっているため、カチオン系電着塗料は次のような特徴を持っています。
(1)被塗物が陰極であるため、電着時に被塗物から金属イオンが溶出しません。このため化成処理皮膜がほどんど溶出しないので化成処理の効果が十分活かされ、高耐食性が得られます。また、塗膜の着色もありません。
(2)樹脂としてポリアミノ樹脂を使用しているので、これが腐食抑制剤として働き高度の防食性が得られます。
(3)陰極である被塗物表面よりのガス(水素)の発生量がアニオン系と比べ多いことから平滑な塗膜、高つき廻り性を得るためには対策が必要です。
(4)陽極の表面は強酸性となるため、不活性の金属またはカーボンを使用する必要があります。