▽アクリル樹脂系塗料
電着用アクリル樹脂はメタクリル酸エステル、アクリル酸エステルモノマーの重合時に水酸基、カルボキシル基カルボキシル基、アミド基、などの親水基を持つモノマーを共重合して、重合体の中にこれらの基を導入して電着用とします。電着塗料化する場合には、一般に硬化成分として水溶性アミノ樹脂を配合して用いられますが、この場合基体樹脂と架橋剤の泳動ー析出速度の差などの点から、組み合わせの選択が重要です。この塗膜は淡色保持性に優れ、耐化学性、耐候性に富んでいることから淡彩用、アルミ塗装用などに用いられます。
▽液状ポリブタジエン樹脂系塗料
ポリブタジエンは重合条件により分子量、化学構造に各種のものが得られます。特にその化学構造の差は生成ポリマーの性状を著しく左右します。
液状ポリブタジエンは主査が炭化水素のみであるため耐薬品性、耐水性、耐食性に優れており、1,4型と1,2型とでは1,4型が酸化乾燥速度が速く、1,2型は硬化性良好で硬い皮膜が得られます。電着用塗料への応用は無水マレイン酸でマレイン化して活用され、マレイン化油、エポキシエステル系、アルキド樹脂系の電着塗料の塗膜性能につき比較すると、1,4型PBは耐食性に優れ、1,2型PBは耐水性に優れています。
▽スチレンアリルアルコール樹脂系塗料
スチレンアリルアルコール共重合体のような比較的高分子量のポリオールに乾性油脂肪酸を反応させてエステル化し、これに無水マレイン酸を付加してマレイン化エステル化物を作り、これにフェノール樹脂成分を混合して電着用に供します。この電着塗料は、硬度高く、密着性に優れ、つき廻り性が良いです。