窯業系サイディングの耐久性向上には、基材を保護する塗膜の耐候性と密接な関係にあり、塗料の開発と同じくして、塗膜を高耐久化させるため、高性能な塗装設備が導入されました。塗膜構成は、エナメル層(着色層)の上にクリヤー塗料を塗装し、複合塗膜化したことや、塗料の樹脂系もアクリル樹脂系やウレタン樹脂系からアクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系、無機系塗料などの高耐久塗料が採用され、レベルが上がってきました。
塗膜の耐久性は、アクリル樹脂系エナメル仕上げについては5~7年程度で塗膜の初期劣化現象が認められていましたが、最近のクリヤー仕上げの高耐久性塗膜(クリヤー仕様)については促進耐候性試験や曝露試験において長期にわたり初期の外観と違和感のないことが確認されており、このことは各種技術開発の成果と言えるでしょう。
新機能の開発として、シンプルな外観のニーズを受け、汚れが付きにくい機能(防汚性)や防藻機能を有する塗膜も開発され製品化されてきました。昨今一般的になってきた防汚性は、光触媒コーティング、親水性オーバーコート剤、親水性樹脂クリヤーの手法が採用されていますが、その中で親水性オーバーコート剤による手法が一般的です。
その間、住宅品質確保促進法の施行やJISの改正による最低厚みが12㎜から14㎜に見直されたことなどもあり、窯業系サイディングは板厚15㎜以上の製品が増加し、施工方法も金具留め工法へと移っていました。近年では、塗膜10年保証が一般化し、一部の製品については塗膜15年保証等、さらに長期の塗膜保証を謳う製品も見受けられるようになってきました。